天上より
薄氷の鈴が響き
白い頁から
白い頁へ
余光のような
祈りをあるく
風景や現象が詩情をまとってあらわれるとき、
縁あるものの遥かな思いに触れる気がして立ち止まります。
そんな雪の日の写真と、
詩の言葉をちりばめた展覧会です。
展覧会によせて
詩や短歌を書くことと並行して、10年ほど前から写真を撮りはじめました。札幌とその近郊の森や川原を歩き、季節のうつろいを感じながらシャッターを切っています。真冬、降りしきる雪の織りなす世界への憧憬はとりわけつよく、しばし寒さを忘れます。そんな雪の日の写真と、詩の言葉をちりばめた展覧会をさせていただくことになりました。会場の写真と窓外の雪との調和も楽しまれつつ、穏やかな冬のひとときを過ごしていただけたらうれしいです。
糸田ともよ(Tomoyo Itoda)
1960年札幌市生まれ 詩人・歌人
歌誌『月光』、『弓弦』、『詩歌探究社〈蓮〉』を経て現在機関誌『舟』誌友。
出版詩集に『雪意』(響文社)、歌集に『水の列車』(洋々社)、『しろいゆりいす』(コールサック社)。
『水の列車』は第17回北海道新聞短歌賞佳作賞受賞歌集。
及川恒平のCDアルバム『地下書店』に詩の言葉を提供。小室等らとのユニット(現「六文銭」)のアルバムにも一部収録されるなど作詞にも携わる。
佐藤孝の偏光顕微鏡写真と詩のコラボレーション『ミクログラフィア―結晶宇宙を巡る―』、瀬川葉子の絵と詩歌のコラボレーション『透明書簡』『水源の森』など、美術の作者、作品とのかかわりも深い。
豆本写真詩集Petit livre(私家版)を現在3号まで発行。
ブログ[夜光席]に詩、短歌、写真などをときおり載せている。
糸田ともよ blog 〔夜光席〕 melharp.asablo.jp/blog/
略歴
1960年 北海道札幌市に生まれる
1980年 中央美術学園卒
1985年 永井浩の現代詩講座 合同詩集『水曜の詩集』に参加
1993年 福島泰樹主宰〈月光の会〉に入会 歌誌『月光』に参加 菱川善夫の現代短歌講座を通じ、田中綾らと現代短歌同人誌『弓弦』創刊
2002年 歌集『水の列車』(洋々社)出版
同歌集で北海道新聞短歌賞佳作賞受賞
2005年 及川恒平の曲に詩の言葉を提供
2006年 及川恒平ホームページにて『葉脈手帳』発表(写真/香妃・詩/糸田ともよ)
2007年 「まるで六文銭のように」CD『はじまりはじまる』に歌詞提供曲(1曲)を収録
2008年 及川恒平ホームページにて『虚空架橋』発表(写真/及川恒平・詩/糸田ともよ)
2009年 「六文銭’09」CD『おとのば』に歌詞提供曲(2曲)収録 詩、短歌、写真、絵などを紹介する自身のブログ『夜光席』を開設
2010年 及川恒平CD『地下書店』に詩提供曲(作詞協力含め全曲)を収録
2011年 詩集『雪意』(響文社)出版
2014年 blog「夜光席」にてミクログラフィア『結晶宇宙を巡る』連載開始(偏光顕微鏡による結晶写真/佐藤孝・詩/糸田ともよ)
石川幸雄・森水晶共同代表 現代短歌同人誌『詩歌探究社 蓮』に参加
2016年 静岡県静岡市に転居2017年 詩歌探究社蓮 別冊HASU act.4「詩想の扉をひらく5人の芸術家」(美術作品と詩歌のコラボレーション作品集)発行
2018年 写真詩集 豆本『葉脈手帳』(私家版)発行(写真/KAHI・詩/糸田ともよ) 歌集『しろいゆりいす』(コールサック社)出版
静岡県浜松市に転居 写真詩集 豆本2号『森の日』(私家版)発行
依田仁美 代表編集 現代短歌〈舟の会〉機関誌『舟』に参加(継続中)
2019年 blog「夜光席」にて『透明書簡』連載開始(絵/瀬川葉子・詩歌/糸田ともよ)
2020年 写真詩集 豆本3号『雪の日』(私家版)発行
ギャラリー犬養にて絵と詩のコラボレーション展『透明書簡』開催(絵/瀬川葉子・詩歌/糸田ともよ)
北海道札幌市に転居
2021年 アンソロジー『地球の生物多様性詩歌集』(コールサック社)に参加
万里小路譲との共著 写真詩集『風の彼方へ』(工房ヴィレ)発行