地球の反対側 月の 陰に隠れていた部分が 呼ぶ
私はこの光が好きなんだ 事の終わった光
何年も 何十年も 眠って 休んでいていいよ の光
生まれた月の子は まだまだ碧い 大切に大切に 育てていく
展覧会に寄せて
これまで伝統的に用いられてきた岩絵具や膠で作られる画面に魅力を感じ、日本画制作を続けてきました。現在は更に興味の幅を広げ、さまざまな媒体で制作する実験をおこなっています。今回は試みのひとつとして、すべてクロスを支持体に、アクリル・水彩系塗料で描いています。
制作の主だったテーマは、自身の体験や記憶、社会や自然への関心を通じ、それらに付随する神話的題材や文脈を掘り下げたものであり、モチーフもそこから生まれています。テーマに通底するものとして、アニミズムへの関心も大きく影響しています。
今回の展覧会では18点の作品を出展いたします。
「月の子を抱いて眠る」は、自身の創作の物語がベースになった作品です。長い年月を想起させるアンモナイトや、記憶の残像の象徴としてのバラ、月の子を取り巻く事象など物語の要素がそこここに散りばめられています。作品や言葉の断片から物語の世界を感じ想像していただけると幸いです。
下村 句里子(Kuriko Shimomura)
神奈川県出身、札幌市在住。
明治学院大学文学部芸術学科で日本東洋美術史を専攻。1994年卒業後、出版社で編集文筆などに従事。2005年武蔵野美術大学通信教育課程油絵学科日本画コース在学、長年の希望だった日本画を学ぶ。2009年渡米、Herron School of Art and Designで市民に交わり人体クロッキーなどを研鑽(Outstanding Student Award 受賞)。2011年帰国後、親戚の画廊勤務を経て北海道へ。2021年CAI現代芸術研究所 アートスクール卒業。現在は北海道と神奈川の二拠点を活動拠点とし、主に日本画材を用いた作品のほか、様々な画材を用いた平面作品の制作にも挑戦している。
展覧会歴
2023 | 黄金町短期アーティストインレジデンス 「Short Term Residensy-短い交流-2023spring」(黄金町、横浜市) 個展「羊と未晴とスプルース」(ビストロカフェ+ギャラリー オマージュ 、札幌市) |
2022 | 500メーターズプロジェクト009学生美術展 「たまごのキミはきいろかオレンジか」(500m美術館、札幌市) |
2021 | CAI現代芸術研究所 アートスクール25期 卒業制作展(CAI03、札幌市) グループ展「土の門 Gate of Earth」(ギャラリー犬養、札幌市) |
受賞・入選歴
2022 | マオイ自由の丘ワイナリー第5回エチケットアート・アワード グランプリ (長沼町) 第25回記念アートムーブコンクール 入選<第23回、第24回も入選>(大阪市) |
2020 | 第25回ふるさとの風景展 入選 <第23回、第24回も入選>(喜多方市) |
2018 | 第35回FUKUIサムホール美術展入選(金津創作の森美術館、福井県) |
2017 | 第21回越後湯沢全国童画展 佳作(湯沢町、新潟県) |
下村 句里子webサイト fori.io/qQo (10月中旬に開設予定) https://www.foriio.com/qQo/