名前のない森に名前をつけることは難しい。
名前のない森はいつもそこにある。
私はただそれだけでよかった。
展覧会に寄せて
名前のない森に名前をつけることは難しい。木々が覆い茂り動物たちが生きているその場所は、どのようにもなれるから。
私たちが新たに名前を付ける必要はない。森は自由で私たちには制御できないから。
私たちがもし森に名前をつけたとしても。森はそれを認識しないだろう。
私たちが森を愛しても、森が私たちを愛することはないかもしれない。でもそれが自然で、摂理だと思う。
名前のない森はいつもそこにある。私はただそれだけでよかった。
四季を通して見る森は生命と光、死と影が連想されます。それは時に癒しとなり、時に不安になる。その一部を切り取りその時の感情を誰かと共有できるようにと考えています。
アウトラインやシルエットを追うことでみえる景色は過ぎ去っていく記憶や朧げな夢を連想させます。それを繋ぎ止めるために私はキャンバスに描いています。
作品に使用している画材:アクリル絵の具、色鉛筆、オイルパステル
加藤奈月(Natsuki Kato)
1996年札幌市生まれ。2019年東北芸術工科大学卒業後、札幌と東京を拠点に作家活動をおこなう。
アクリル特有のメディウムなどを使用し、アクリルでしか表現できない世界を制作したいと考えています。また深い青や緑といった自然を感じる色での作品作りを意識し、その中に見ている人が入り込めるような作品を作りたいと思っています。
【個展】
2021年 | 「朧の森」(ギャラリー犬養/札幌) |
2022年 | 「うろのもり」(ギャラリー犬養/札幌) |
2022年 | 「隠の森」(ギャラリー犬養/札幌) 「青を飼う」(カフェ北都館/札幌) |
2023年 | 「シジマの森」(ギャラリー犬養/札幌) |
2024年 | 「ヨワの森」(ゆう画廊/東京) 「かがやきの森」(ギャラリー犬養/札幌) |
【グループ展ほか】
2016年 | 「しんか論」(東北芸術工科大学学内) 「夜の会」加藤奈月・羽生晴佳 2人展(東北芸術工科大学学内) |
2017年 | 「夏休みの宿題展」(ほくせんギャラリーivory/札幌) |
2019年 | 「風はなにいろですか」(ギャラリイK/東京) |
2020年 | 「真夏の美の夢」展Vol.7 (東京耀画廊/東京) |
2021年 | 「Paraiso」(M.A.S.D Art Gallery/スペイン) |
2022年 | 「SM サムホール36人展」(カフェ北都館/札幌) |
2023年 | 「TUAD ART LINKS 2023」(オリエアートギャラリー/東京) 「うたかた展」(鈴画廊/東京) |
2024年 | 「うたかたII」(鈴画廊/東京) 「ART TAICHUNG 2024 台中藝術博覧會」(台中日月千禧酒店/台湾) |
2025年 | 「東北のいぶき」(スルガ台画廊/東京) |
Instagram @natsuki_nk6