あざやかなもの、
ぼんやりくすんだもの、忘れそうなもの。
過去から現在へと続く創作の軌跡が、
ここに集っています。
日々の中の一瞬一瞬を絵に込めて…
展覧会に寄せて
ふと目に入った草むら。急に思い出した子ども時代の風景。
そうした日々の中の一瞬一瞬を、私は絵に込めてきました。
東京の下町で育ち、結婚後は兵庫、埼玉、宮城、大阪、北海道、千葉と移り住みました。
それぞれの土地で出会った人々、移りゆく季節、心に刻まれた瞬間たち。
そして旅で出会ったカナダ・ウィスラーの雪景色やフランス・アヴィニョンの空から生まれた色彩の躍動——日常のちょっと先にある世界への憧憬も、キャンバスに宿らせてきました。
あざやかなもの、ぼんやりくすんだもの、忘れそうなもの。
でも今の年齢になったからこそ、それらはみな私自身になりました。
過去から現在へと続く創作の軌跡が、ここに集っています。
油彩を描きはじめたのは1985年。2006年東京・銀座での初めての個展から、はや18年が経ちました。引越しのたびに多くの作品を手放しました。
それでも手元に残った作品には、何かの理由があるのだと思います。80代になった今も描き続ける新しい表現とあわせて、どうぞご覧ください。
高橋雅子
高橋 雅子 (MASAKO TAKAHASHI)
1940年東京台東区中根岸生まれ。
結婚後、夫の転勤により日本各地を巡る。2000年代に桐弘史郎先生に師事。
2012年より札幌在住。2014年札幌市民芸術祭大賞受賞。