歩幅が波のように狭く大きくを繰り返し、
今日まで制作を続けることができました。
紙本来の持つ光、
黒色の広がりを感じていただけたら幸いです。
展覧会によせて
展覧会名の「とんとんと」は、歩幅を表現しました。それは作家活動が順調ではなく、描けない時期や少し描けるようになった様子を表しています。この気持ちを文字にした時、とことこ歩いたというより、とんとんと少し飛んだりしながら今日の展覧会に向けて歩けたと感じています。出品している版画作品はすべてリトグラフで制作したもので、色はあえて白黒で表現しています。紙の白さ、インクの黒色だけで世界観を作りたいと考え、いろんな試みをしている状況です。
モチーフとしてよく登場していますが、私は鯨が好きで描いているのではありません。実際に見たこともありますが鯨に対し感情は動きませんでした。しかし鯨を見て思うのは、鯨の胸びれ、体、尾びれは想像を掻き立てられます。その黒い様な体は私の目に様々な表現を湧き起こしてもらえます。その鯨から生み出された世界を版画で表現し、大きい鯨を如何に枠内で収めない様に展示するか考えながら今後も追求していきたいと思います。
間嶋宏美 (Hiromi Majima)
1991年 東京都生まれ
2018年 女子美術大学大学院美術研究科博士前期課程
美術専攻版画研究領域 修了
2021年 札幌へ移住
受賞歴
2013年 第81回版画協会B部門 賞候補
2014年 第9回高知国際版画トリエンナーレ 日和崎尊夫賞 受賞
2015年 第83回日本版画協会版画展 入選
2017年 第53回神奈川県美術展 入選
展示 (グループ展等)
2012年 女子美スタイル2011(BankART Studio NYK)
2013年 女子美スタイル2012(東京都美術館)
2016年 contact展(ギャラリーうぇすと)
2017年 PICK UP THE PIECES 2017(JINEN GALLERY)
CrossLine2017(東京造形大学ZOKEIギャラリー)
2018年 平成24年度第41回東京五美術大学連合卒業・修了制作展(新国立美術館)
女子美術大学大学院版画修了展(シロタ画廊)