闇の中から放つ、光の印象を描いたものです。
ほとんどの作品は具象物からヒントを得たもので、
すべて抽象的イメージをベースとしながらも
そこには具体物がひそんでいます。
ぜひ『光』の印象を鑑賞していただけると幸いです。
高田 健治
◎展覧会に寄せて
今回発表する作品は、この個展のために制作した新作です。
闇の中から放つ、光の印象を描いたものです。すべての作品には大小の砂(珪石)が含まれており、砂のざらつきがマチエールとして表現しています。ほとんどの作品は、具象物からヒントを得たものです。“仮面”の表題の作品には、かすかに両目があったり、卵を割ったイメージ、口紅を束ねたもの等もあります。すべて抽象的イメージをベースとしながらも具体物がひそんでいます。
作品については、スーッと現れる感じの表現を目指しています。あからさまにはわからないグラデーションができればいいと思っています。なおかつ、絵画でしか表現できないものです。用いている画材は、艶消しのマチエールができる水性のものを使用しています。基本は、水彩絵の具に溶剤と胡粉を混ぜ合わせ、さらに珪石を混ぜて描いています。溶剤も接着力が弱いものをあえて使用し、弱い特性を生かし描いては拭い、描いては拭ってを繰り返しながら目指すべき深みを表現しています。
ぜひご高覧いただけると幸いです。
高田 健治
高田健治(Kenji Takada)
1961年長野県松本市生まれ、帯広市育ち、現在幕別町札内在住。
1981年北海道教育大学釧路分校美術科入学。
1986年に道展に出品し入選。その後、十勝平原社展、全道展にも出品。
1995年に独立展で入選、その後、創画展に出品。
2015年に時計台ギャラリーで大作の個展を開催。
2020年に帯広弘文堂で小品展を開催。
略歴
1992年 | 平原社展 協会賞 |
1996年 | 全道展 奨励賞 |
1998年 | 全道展 佳作賞 |
2013年 | 全道展 会員 |
2015年 | 個展(時計台ギャラリー、札幌市) |
2017年 | 創画展 会友 |
2020年 | 小品展(帯広弘文堂、帯広市) |